初心者のための同人誌作り方講座「同人師。」

3年間同人活動を行った元同人作家が伝えるコピー本、オフ本、ペーパー等の、同人誌の作り方サイトです。

初心者のための同人誌作り方講座「同人師。」

カテゴリー:マンガの描き方

13-マンガ原稿の描き方(ノンブル)

さて、原稿が全部できあがったらノンブル(ページ)を打っていきます。
同人誌を作るときにはノンブルは必須です。
ノンブルは印刷所などでノンブルシールが安価で販売されていますので、そちらを利用したり、プリンターで打ち出ししたものを使います。(手書きでも構いませんが、必ず印刷所の人が読めるように書くことが条件です。)

ノンブルは必ず印刷面に出るように貼っていきます。
そしてノンブルは小さいので、しっかり押さえるなどして固定させましょう。
固定できない場合は上からクリアテープを貼るなどして、対処します。

印刷後にノンブルが出ていないと落丁、乱丁の元になります。

原稿の裏にもページ数を書いておくと親切です。

ノンブルを打ち終わったら順番に並べ替えて、できあがりです。

12-マンガ原稿の描き方(写植)

原稿ができたら次は写植です。
最近はPCとプリンターが発達したので、
ワードなどでセリフを打ち込んで出力したものを貼るといいと思います。

基本ポイントは個人の好みですが、10.5pt~12ptぐらいで、ネームと原稿を元にセリフを打ち込んでいきます。改行もデータ内でしてしまいましょう。
強調したい文字もデータ内でしてしまいます。

フォントには「MSP明朝」のように「P」の文字が入ったフォントがあります。これは句読点などの隙間を見栄え良く詰めたフォントであることを指しています。
等幅でフォントを出したい場合は「P」のついていないものを使った方がいいと思います。

フォントは読めれば何でもいいですが、OSに元々入っているフォント(MS明朝、MSゴシック)などは少し細い気がするので、私はDF(ダイナフォント)平成明朝体W7を基本に使っていました。強調したい文字(叫んでいるときの文字)は極太ゴシックとかです。
ダイナフォントは有料のため、買う必要があります。

白舟書体さんのサイトで楷書などの教育漢字版(1006字)を無料でダウンロードすることができ、利用することができます。
本のタイトルなどに使うといいかもしれません。
もちろん台詞に使うこともできますが、教育漢字だけでは、やや漢字数が少ないようにも思います。

最近はフリーフォントもたくさん出回っていますので、場所によって使い分けるのも個性的です。

11-マンガ原稿の描き方(修正)

一通りの作業が済んだら修正です。
修正はホワイトによる修正と、切り貼りがあります。

ホワイトはインクや墨などとの相性によって、泣く(ホワイトを塗った下から墨などが滲んでくる)ことがあるので、相性には気をつけましょう。
ひと昔前はポスターカラーがメジャーでしたが、最近では様々なホワイトが出ていて、しかも耐水性のものもあったりするので、自分にあったものを選びましょう。
修正ペンはおおよその墨やインクなど、ほとんどのものに対応できる上に使いやすいので、案外重宝します。

ホワイトはちょっとした修正には便利ですが、広範囲の修正には向きません。
広範囲の修正は、別の原稿に同じように書き直しして、切り貼り(上に修正したい原稿、下に修正した原稿を重ね合わせ、2枚合わせて切り取り、修正部分にはめ込んで、後ろからテープで貼り付ける方法。)にしましょう。
この時、合成部分(切り口)にホワイトを塗っておくと陰が出にくくなります。

ホワイトをかけた上から線を書くと太くなるので、できるだけ避けましょう。

10-マンガ原稿の描き方(トーン2)

トーンの貼り方ですが、重ね貼りはあまりしない方がいいでしょう。
また、細かいトーンの上から面積の広いトーンをかぶせて貼ると空気が入り、モアレになるので、面積の広いトーンの上に、細かいトーンを貼るようにしましょう。

細かいトーンは定着させても細かすぎて剥がれてくることがよくあります。
そういう時は、こちらの透明のテープを上から貼ることをオススメします。


以前はメンディングテープがよく使われていましたが、現在の印刷所ではこちらのテープの方をすすめている印刷所の方が多いと思います。

また、印刷に適応する網目トーンは10%~40%ぐらいのパーセントが目安で、85線(85L)以内が目安です。
10%以下のものはアミがとんで印刷に出ないことが多々ありますし、40%以上のものは、濃すぎて潰れる可能性があります。
85線以上のものは、目が細かすぎるので、潰れやすかったり、とびやすかったりします。

一番使いやすいのは10%~40%の60線のアミトーンだと私は思います。

9-マンガ原稿の描き方(トーン1)

一通り人物や背景、効果線、ベタ作業が済んだら次はトーン作業です。

最近はトーンの定着を行わない人が増えているので、トーンを貼った後は、バーニシャ、トーンヘラなどでしっかりこすって定着させましょう。
トーンの上から直接強くこするとトーンの印刷部分がこすれてしまうので注意が必要です。
(トレペやトーンの下紙などを乗せた上からこすりましょう)

トーンの上にはベタを塗らないようにしましょう。
トーンはフィルムなので、墨やインクなどをはじきます。
塗ったとしても乾くまでかなりの時間を要したり、生乾きっぽくなるので、それがこすれて原稿が汚してしまいます。
トーンの上に黒を塗りたい場合は、油性マジックで塗るようにしましょう。

油性マジックで塗っても薄い塗りになることが多いので、非常時以外はベタの上にトーンを貼ることをオススメします。

トーンはグレーの印刷のものや、メーカーによっては定着しにくいトーンなどがあります。
そういったトーンは使わないようにしましょう。

また、タチキリでトーンを貼りたい場合は外枠(一番外の枠)まで貼ります。(ただし、原稿用紙からはみ出さない程度まで)
上の写真で左下がタチキリになるのですが、参考にしてみてください。

8-マンガ原稿の描き方(ベタ)

宇部流ですが、アナログマンガ原稿の描き方講座です。
集中線や効果線などの様子を見ながら進めていくのがベタ塗りです。
面相筆で墨を使って塗ると、原稿が綺麗に見えますが、乾くのを待たなくてはならないため、筆ペンや油性マジックなどで塗る人もいます。
筆ペンなどはものによって、薄いものがあるので、濃いものを選びましょう。
油性マジックも広い面積を塗るとカスレで薄くなるときがあるので、広範囲の面積を塗るのには使わないほうがいいでしょう。また、油性は滲むので細かい部分を塗るのには向いていません。
面送筆の先がそろってないものはツヤベタを塗ると汚く見えるので、そろった筆を使いましょう。

7-マンガ原稿の描き方(背景、効果線)

宇部流ですが、アナログマンガ原稿の描き方講座です。

私は人物→背景→効果線という流れで作業をするタイプです。
私は背景が苦手なので、まず人物だけを先に描いてしまい、後から背景を入れます。

もちろんペン入れのときに人物も背景も一緒に入れる人もいます。
また背景を別の原稿用紙に描き、切り貼りで背景を描く人もいたり、背景を先に描いて、後から切り貼りで人物を入れる人もいます。
この流れは個人の好みになります。

ただ、効果線(特に集中線)だけは描く作業の後の方(ただし、トーンを貼る前)がいいように思います。
効果線は人物や背景の上にかけることが多く、一度入れてしまうと修正がききにくいからです。

さて、私は一旦人物にペンを入れた後、再度裏の下書き用紙に背景の下書きを行い、それをペン入れしていきます。
背景は写真を撮影してきてトレスする方法と、透視法を使って描き起こす方法があります。
左にある背景は一点透視法。一点を中心に遠近を表現します。
下書きにある街灯が何故か消えてるとかいうツッコミはなし。(笑)
写真をトレスして背景を描く際には背景専用写真集などの著作権フリーのもの以外は使わないようにしましょう。

集中線はある1点を決めて、そこを中心に線を引いていきます。
いくら中心を書いていてもズレることがあるので、原稿の裏から底の平らな画鋲をさして、出ている針に定規を当てて集中線を引く方もいらっしゃいます。
(引き終わったら画鋲を外し、裏から穴をテープでふさぎ、表の穴にホワイトをかけます。錆びた画鋲は汚れるので使わないようにしましょう。)
ペンは個人的な好みのよりますが、私はこれらの効果線や背景には丸ペンを使っています。
(集中線のヌキが細くてキレイなのと、背景が主張しすぎないため)

6-マンガ原稿の描き方(消しゴムかけ)

宇部流ですが、アナログマンガ原稿の描き方講座です。

ペン入れが済んだら、消しゴムをかけます。
消しゴムをかける時は紙がくしゃくしゃにならないように注意して消します。

手は洗ってから消しゴムかけの作業に入りましょう。
手に油がついている状態で消しゴムをかけた場合、手の油で原稿が汚れることがあります。(場合によっては指紋がつくこともあります。)
さらに手の下にティッシュを引いておくとベストです。

消しゴム自体が汚れている場合は、汚れがなくなるまで他の紙で消して取るか、カッターなどでそぎ落とすなどしてから消さないと、原稿が汚れる原因になります。

消しゴムをかけた後は、羽ぼうきなどで消しカスを綺麗にはらっておきましょう。
消しカスが残っている上にトーンを貼ると、空気が入り、モアレの原因になります。

なお、トレスでペン入れした人は消しゴムかけの必要はありません。

@-マンガの道具紹介:その他

【定規】
長さは好み。
私は長いもの(30cmぐらい)と短いもの(15cmぐらい)を併用している。
定規が汚れていると原稿の汚れの原因になるので、マメに手入れしておきたい。

【トレス台】
下のものを透かして使うのに便利。
あればかなり重宝するが、それなりに値が張る。
ライトが暗いもの、ビスが飛び出しているもの(ビスに原稿用紙がひっ
かかる)、ちらつくものは買わないようにしたい。

個人的にはICアルティプロA4を使用。



このサイズは投稿サイズには向かないので、投稿サイズで描く人はもう1ランク上のB4サイズがオススメ。

【油性ペン】
ちょっとしたことに使う。

個人的にはちょっとしたベタで塗り潰す時や、書き文字などに使用。
面倒くさがりな私には必需品の一つ。
が、ベタはやはり墨の方が美しい。

@-マンガの道具紹介:トーン関係

宇部流ですが、アナログマンガ原稿の描き方講座です。

次に進む前に道具の一部を紹介しておきます。
ここに紹介する道具は個人的に使っているものの一部ですので、道具は個人の好みによって揃えてください。

【トーン】
アミや砂目、柄など、印刷効果として使用する。
最近は色々なメーカーのものが出回っているが、稀にグレーの印刷のトーンがあったり、べったりと糊がついて原稿が汚れたり仮貼りではがれなくなったり(これは古いトーンに見受けられるので、年季が入ったトーンはできるだけ避けたい)、またどんなにがんばっても定着しない糊の薄いトーンもあるので、そういうものは使わないようにしたい。
一般にはデリータ、アイシーのトーンが流通量が多く、入手しやすい。

個人的にはデリータ、アイシーの両方を使用。
価格の面から、デリータのものを多用。
アイシー
デリータ

【カッター・トーンカッター】
トーンを切る時に使うもの。
トーンカッター(デザインカッターとも呼ばれる)は慣れると細かい作業にうってつけだが、普通のカッターとまた違った使い心地があるので、慣れが必要。
刃先の角度によっても使い心地が違ってくる。
トーンカッターの刃先は30度と45度があり、30度の方がややカッターに似た使い心地があるような感想を持っている。
トーンを削った場合、
45度の方がシャープな削り味が出る。

個人的にはNTデザインカッター D-400Pを使用。



替え刃は45度のものを使用。


刃先が折れやすいので、折れたらマメに交換すること。
また、折れた刃先は細かいため(1mm程度だったりするので)、破片に注意。

【トーンヘラ】
トーンを定着させるためのこすり付ける道具。バーニシャとも。
トーンを置いたような貼り方のままで定着していないと、ちょっとしたはずみでトーンがはがれ落ち、あげく、他の原稿にべったりくっついてしまい、本になったときには何じゃこりゃ! ということもあるので、きちんと定着しておくこと。
トーンの剥がれ落ちは原稿制作者の責任にもなり、クレームはあまり受け付けてもらえない。

また、重ね貼りする時にきちんと定着させてないと、下のラインが見えないという原因にもなる。

トーンヘラは貼ったトーンの上にあて紙をしてこすりつける時に使う。
直接トーンの上でこすると、トーンの印刷がこすれてしまうことがあるので注意が必要。

個人的にはマキソンのコミックスティックを使用。



マキソンコミックスティック

かくいう私もあまり定着させない癖の持ち主。(爆)