表紙の印刷色を決める
表紙の印刷色は、主に
・華やかなフルカラー(単に4色刷りとも呼ばれます)
・センスが際だつ2色刷り(多色刷りとも呼ばれます)
・コストがかからない1色刷り
・さらにコストがかからないスミ刷り
があります。
私は漫画を書いていたため、表紙に絵をもってくることができました。
なので、表紙は華やかさをもたらすフルカラーが大好きでした。(笑)
同人誌は、イベント会場でぶっつけ(ネットなどで告知や集客をしてない)で売る場合、そもそも通りすがりのお客さんの目にとまって、本を手にとってもらわないことには売れない。という部分があります。
そういう戦略的な意味からも、私は目に止まりやすいフルカラーが好きだったのです。
しかしフルカラー印刷はお金がかかります。
今考えると資金が共同出資だったため、ひょっとしたら、小説書きだった相方には、冷ややかな目で見られてたかもしれません…。(^^;)怖くてとても本音を聞けませんが…。(笑)
それぞれ表紙の印刷色には一長一短がありますので、それを記載しておきます。
表紙の印刷色、それぞれのメリット・デメリット
フルカラー表紙
・フルカラー印刷の表紙のこと。
(基本的にC-シアン、M-マゼンタ、Y-イエロー、K-ブラックの4色をかけ合わせてフルカラーを表現します。)
・見た目が華やかで、目をひく。
・1色や多色刷りに比べてコストが高くなる。
・締め切りが早い場合がある。
多色刷り
・一色刷りをしたあと、その上に別の色(2色目)をのせて印刷していく方法です。
(例:紺色でイラストを刷ったあと、赤でタイトルを入れる等)
・多色刷りは、2色が一般的。
・3色以上は、場合によってフルカラーより割高になることがある。
(3色以上を扱う印刷所は少ないです)
・1色刷りより目をひく。
・フルカラーに比べて華やかさに欠ける。
・細い線だとズレが起きやすい。
・締め切りが早い場合がある。
1色刷り
・色インク1色だけで印刷した表紙のこと。
(どんな色でも1色だけ使えますが、色によって(メタルカラーや蛍光色など)は割高になることもあります)
・フルカラーに比べてコストがかからないため、経済的。
・印刷所によっては、基本色の範囲内なら、基本料金に含んでくれていることも。
・フルカラーに比べて華やかさに欠ける。
・本文と同時入稿でOKな場合が多い。
スミ刷り
・スミ(黒)1色で印刷した表紙のこと。
・一番コストがかからず、経済的。
・フルカラーや多色刷り、1色刷りに比べて華やかさに欠ける。
・基本的に本文と同時入稿でOK。(印刷所によります)
よく使われている表紙の印刷色
同人誌で主に使われているのは、オフ本の場合、フルカラーと1色刷り(スミ刷り含む)です。
コピー本は、フルカラーとスミ刷りが一般的です。(コピー本の色1色は、フルカラーと同じ金額を取られます)
表紙の印刷色については、自分の好みと、書く労力と、経済状態を相談して決めてください。
何故表紙の印刷色を先に決めておくのか
印刷所にもよるのですが、フルカラー表紙の場合、本文よりも締め切りが早いところが結構あります。
特に表紙印刷専門の関西美術印刷さんを使う場合、印刷期間+印刷が済んでから提携先の印刷所までの送付期間+本文印刷期間も含めると、相当早く入稿する必要があります。
こういった納期の関係で、フルカラー印刷にする場合、本文よりも先に表紙にとりかからなくてはならない。
といったことが発生してきます。
これは、本文にかかってから表紙のことを考えていたのでは間に合いません。
先に表紙の印刷色を決めた上で、表紙の印刷所スケジュールを確認する必要があるのです。
また、フルカラーと、多色刷りと、単色刷りとでは、表紙の描き方が全く異なってきます。(アナログ原稿の場合)
※最近はデジタルで表紙を作る人も増えたので、デジタルの場合は、カラーをモノクロ化するのもアリですが、わざわざカラーで描いてモノクロにしたい人はそうはいないかと。^^;(非常手段ですよね)
こういったことがありますので、表紙の印刷色は先に決めておきましょう。