19-オフ本を作ろう(発注書)
印刷所に印刷を頼むときには、必ず発注書を書かなくてはなりません。
印刷所はこの発注書を元に印刷をします。記入ミス、記入漏れのないように書きましょう。
発注書は必ず発注する印刷所のマニュアルを参照して記入してください。
主な記入項目の解説です。
・発注日
原稿を送った日を記入します。印刷所によっては印刷所に到着した日を書くようにしていしているところもあります。
・納品日
納品して欲しい日を記入します。
この時、必ずマニュアルのどこかに本を仕上げるまでの日数が掲載されているので、その発注した日から仕上げるまでの日数を足した分以上の日数を書きましょう。
日数が少ない場合、別途料金を加算されたり、また、何ヶ月もあとに納品を希望する場合は管理費が発生したりするので、仕上げの日数分か、それから数日足したぐらいにしておきましょう。
・納品方法
手渡は印刷所に取りにいく場合です。
宅配便は自宅に送ってくれます。配達時間の希望があるなら備考に書いておきましょう。
搬入はできあがった本を直接イベント会場に送ってもらう方法です。
この場合、搬入するために必要な情報を書くスペースなり、搬入申し込み専用の用紙があったりしますので、それの記載(イベント日、イベント会場、搬入部数、ホール名、スペースNo.参加サークル名等)も忘れずに行い、発注書に同封しておきましょう。
また、300部中、100部だけ搬入し、200部自宅に送ってもらう場合はその旨を備考欄に書いておき、搬入のための送料と自宅への宅配料を合わせた送料を入金しましょう。
・イベント日
刷った本をあなたがイベントで初売りする日です。イベント売りするのでしたら、このイベント日を必ず記載しておきましょう。
自宅で通販のみする場合は記入の必要ありません。
・誌名
本のタイトルを記入しましょう。
・サイズ
本のサイズを記入しましょう。
・頁数(ページ数)
表紙(表1)と裏表紙(表4)、表紙裏(表2)、裏表紙裏(表3)の計4P分もあわせたページ数を記入しましょう。
・部数
刷って欲しい部数を記入します。
・製本
希望の製本方法を記入します。
・とじ方向
マンガ、小説(縦書きの小説)などは主に右とじです。
・表紙用紙
希望の表紙の紙の種類を記入します。
特殊紙の場合はその他に○をして、その特殊紙名を記載しましょう。取り扱っている特殊紙については、印刷所のマニュアルの中にあります。
関美(かんび。関西美術印刷)とは、フルカラーを専門に扱っている印刷所で、フルカラーの表紙やカラーページのみ扱っています。
同人関係の各印刷所と提携しており、関美で表紙を刷ってもらい、印刷所で本文を刷ってもらうことができます。
この時、表紙原稿を関美から直接自宅に送ってもらわない場合は、原画有に○をしましょう。
原画有に○をしていなくて表紙が手元に帰ってこない場合、記入ミスとみなされ、2度と手元に戻ってこない可能性もあります。
関美を使う入稿については別途記載します。
・表紙(紙)色
色上質や特殊紙など、色にバリエーションがある場合はこちらに紙の色を指定します。
指定しない場合で、発注者に連絡がつかない場合、白になる可能性があります。
紙によっては色の呼び方が違うので、特殊紙を使う場合などは色の指定に注意してください。
・表紙刷色
表紙のインクで刷って欲しい色を指定します。
指定しない場合はスミになります。
特色(マニュアルにない色)を使う場合は色見本(雑誌の切れ端)をつけておきましょう。
・本文用紙
本文用紙の紙を指定します。
・本文刷色
本文を印刷する色を指定します。
指定しない場合はスミになります。
・箔押、箔色
箔押の指定がある場合には記入しておきましょう。
そのときは箔の色も記入しておきましょう。
・加工
PP加工、マットPP加工などがある場合は記入しましょう。
・表2・表3
表2・表3印刷のこと。表紙の裏に印刷するかしないかを記入しておきましょう。
・本文開始頁(本文開始ページ)
本文が始まるページ数を書いておきましょう。
・支払方法
同人印刷は基本は前払いです。
前払いの印刷所は入金の確認がとれないと印刷には取り掛かってもらえません。
入金の際は間違いのないように、おつりのないようにしましょう。
現金:印刷所に直接持ち込む場合などの支払い方法です。
現金を郵送する場合はかならず現金書留を使ってください。
普通郵便などで現金を送ることはできませんので(お札もダメです)。
原稿の中に現金を入れるのもいけません。
現金書留は嫌がられることもあるので、あまり使わない方がいいかもしれません。
為替:為替の場合は原稿にまぎれてしまわないように、小さい封筒にいれるなりして、発注書にクリップで留めておくなどの対策をしておきましょう。
普通為替は1円単位で購入できるので、おつりのないように購入し、期限切れの為替を送らないようにしましょう。
通販などで届いた為替を換金しないでそのまま使いまわしてはいけません。トラブルの元になります。
銀行振替:
この方法が早くて確実です。
郵便振替:入金確認まで1週間ぐらいかかります。入金の確認できるまで印刷にはとりかかってもらえず、場合によっては納期が延びることがあるので、控えのコピーなどを送っておくと、すぐにとりかかってもらえます。
通信欄に本のタイトル、サークル名、部数、頁数などを書いておくと印刷所での手続きがスムーズになりやすいです。
・印刷代金送金日
印刷代金の送金日を記入します。
・発注者名
発注者の本名を記入します。フリガナもふっておきましょう。
合同誌の場合は代表者の氏名です。
・住所
発注者の住所を記入します。フリガナもふっておきましょう。電話番号も連絡がつく番号を記入します。
・発送先
できあがった本を発注者の住所と違う住所に送って欲しい場合に記入します。
その際、受取人の名前や電話番号も書いておきましょう。
・料金
料金は基本的に自分で記入します。分からない場合は印刷所に問い合わせると、見積もりをしてくれると思います。
基本料金:マニュアルを参照して、料金一覧表から費用を探して記入します。今回はA5、20P、50部の欄にあった金額を記入しました。
表紙紙代:特殊紙などを使う場合はここに加算料金を記入します。(1枚30円の特殊紙を使う場合、30円×50部で1,500円と書きます)
色替料金:表紙を色インクで刷る場合はマニュアルを参照して、色替料金の合計を記入します。
多色刷料金:多色刷をする場合、マニュアルを参照して、多色刷料金の合計を記入します。
箔押料金:箔押をする場合、マニュアルを参照して、箔押料金の合計を記入します。
加工料金:加工をする場合、マニュアルを参照して、加工料金の合計を記入します。
本文紙替料金:本文の紙の色を変えたい場合は、、本文紙替料金の合計を記入します。
本文色替料金:本文色替とは本文を色インクで刷ることです。本文色替する場合はマニュアルを参照して、本文色替料金の合計を記入します。
空白欄:ここはオプションでつける料金を書く欄です。(あそび紙代や見返し代等)
送料:マニュアルを参照して、印刷会社から自宅までの送料を記入します。
消費税:送料をのぞく合計分の消費税額を記入します。
合計:上記の合計を記入します。
これは一例なので、印刷所によってはこれ以外に記入項目があったり、これより少ない場合があります。
くどいようですが、必ず自分の頼みたい印刷所の発注書を使い、その印刷所のマニュアルの指示にしたがって記入して下さい。